オークションサイトが引き起こす地殻変動。このサイトが,価値基準を狂わしていく。自分が,大企業と同等の位置にいる。いや,大企業も,ここでは自分と同じ価値しか持っていない。
米国サン・マイクロシステムズ社が実験として「auctions.sun.com」という売り主名で,新品のサーバーとワークステーションをオークションサイトのイーベイに出している。中小企業向けの市場をIBMやヒューレット・パッカード社に奪われている同社は,その市場に食い込む方法を模索しており,これもその一環。オークションにかけられた商品は定価の40%以下の値段であるが,サンはここから最終的にいくらに落ち着くか注目している。
ということで実際に見に行ってみる。ローエンドのウルトラ5ワークステーションのベッティング状況はここ。かなりの入札があり,もっとも入札の多い機種では,995ドルで売り始めたものが,1,405ドルまで値がついている。ただ,これでもサンのサイトで同じものを買うと2,595ドルになり,1,000ドル以上安い。お買い得でっせ,お客さん。
サンは何度か商品を出し続けているようで,でもイーベイと提携するわけではなく,ただの商品提供者として出品している。購入者にとっては,相手が企業だろうと一般人であろうと差はない。もともとオークションサイトは売る側と買う側の立場が別れていないところが面白さのひとつとなっている。販売店で買うよりも気楽で,売る側と買う側が対等の関係がやり取りできる。ポケモンのトレカを売っている奴(すんげぇ値段)も,シンプソンズのマウスパットを売っている奴も,サン・マイクロシステムズ社と同列なんだ。そこが,すごい。
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